この仕事基本は小売り業ですがその本質はサービス業です。少なくともワタシはそう理解してこの仕事をさせて頂いております。ですからできるかぎりお客様はカミサマなんですけど長くやってるとトキドキちょっと無理なトキもあるんですよ。
まぁ、あくまでもイチ業者の勝手な言い分なんですんで御買い物の参考にでもしていただければということであまりめくじらたてずに読んで下さいね。
この仕事はじめたばかりの頃まだ骨董市も少なくて(都内は東郷神社と花園、それと乃木神社に飯田橋ラムラ、それだけだったんですよ、上野は夏だけだったし)・・大体おっかない業者が多くてあまりいけなかったんです。
バカにつけるクスリはナイ 05/9/20
そのデブのヤンキー小僧はもともとウチの客でもなんでもなかったんですよ。
大体千葉のハズレの高校中退の喧嘩自慢なんぞ相手にしてる余裕なんざありませんから。
タマタマ友人の目地職人が(本業が)職閑期に骨董市出たいっていうんで面倒みていたんですが何度か遊びに来るウチにいつのまにかそのオトコにすっかりなついてしまっていたんですね。
まぁ、ありがちな事ですがコヤツラって世間のオトナからは相手にされてないんですよ、普段。
だってメンドクサイ上にナカミもカラッポですからね、しかも自己責任で。
で、そこをサラにつっぱってりゃまだ可愛げもあるんだけど大抵の連中はどこかのどなたさまに今の自分を認めてもらってかまってほしい、だからこういうとこであんまり普通じゃないオトナタチにそれなりにでも評価されるとすぐにとっても嬉しくなっちゃうんですね。
で、その友人の目地屋が仕事忙しくなっていなくなると今度はウチになついてきた、正直いってマッタク相手にしたくありません。
別にヤンキーだからってワケじゃない、そんなのはまわりにワラワラいますから。
ただ、個人的にそのオトコがあまり好きになれなかったんですよ。
だからほったらかしです。
そうしたらかまって欲しいのか中途半端に高いものを買う、それもファッションジュエリーていうんですか、18金でできたアクセサリーなんかです。
こういうもんて私達の業界ではほぼ目方値段なんですよ、買取り評価が。(ブランドものとかは別ですが。多少の石など評価の対象になりません。)そこから売り値をつけるワケだから売り値もそうたいしたコトにはなりません。普通にお店で売っている値段から考えればずいぶん安くかんじると思います。
で、そういうものをウチだけじゃなくて他のお店でもやたらと買うんですよ。
まぁ、似つかわしくない事この上ないけど本人申告でお金持ちの御曹子だってことだったんであまり気にとめていませんでした。
でもねある日思わぬところで露見しちまいましたね。
知人で付き合いのある質屋サンが
「これ前にオタクにあったよね?なんだかいかにもあやしいのが持ち込んできてさ?盗まれてない?」
みればまんまとヤツが買っていったものでした。
質屋さんもあまりの不釣り合いさ加減といくらなんでも見覚えのある商品(なにしろ本人が欲しがって値切ってたから)だったもんで確認にきたんですよ。
デモマァ別にトラブルでもなんでもないんでどうでもよかったんだけど一応確認してみたら
「オレんチ宝石商なんですよ。で、買ったものでウチにおいてもらえるものはそのままおいてもらってるんですけどたまたまおけなかったヤツを質屋にながしたんだよ。」
はーそーなんですかー
まーどっちゃでもいいんですけどねー
そうしたらそのうち道具屋の修行がしたいと言いはじめた、モチロン受け入れるつもりなんざマッタクないから断わったんだけど食い下がってくるので「じゃぁなにか仕入れておいで、買えるものがあれば買ってあげるから」
つったら
「どうやって仕入れればいいの?」ていうんで
「そうだなー千葉のイナカまわって山んナカに不法投棄してあるゴミとか漁ってみれば?」
「それいいと思うけど(どこがだよ?)オレアシないんすよ、一緒にクルマで回ってもらえないの?」
「あまえてんじゃねーよ、車がなかったらチャリだろ、それもないならリユック背負って歩いていけよ!」
ていったらホンキにして行ってしまいました。
おかげさまでしばらくしずかな日々が続いてたんですが3日もしないうちに帰って来て(しかもヨレヨレになって)
「ダメだ、なんにも落ちてなかったよ、今度はナニすればいいの?オレ店手伝うよ」
なんてぬかしてます。
この時点までスデに相当迷惑だったし(勝手にしかもエラソーに接客とかしてるしさ)いなくなってる間にもうすっかり相手にする気はなくなってたンで
「あーー?だってなんにもひろえなかったんだろ?才能ないんじゃん?もうあきらめたほうがイイよ。」
ていってみたら憤然として
「オレ山ンナカ3日も放浪してもうちょっとで遭難するトコだったんだぜ、他に言い方ないのかよ!」
とかぬかすから
「ざけんじゃねーぞ、コゾウ!!ボーイスカウトじゃないんだぜ、20超えておまえも立派なオトコなんだろうが?そんなものはアタリマエで自己責任だろうがよ、そんなヌルイこといってるからどうしようもねーんだよ、いくらなにをどう努力しようが結果がだせなきゃタダのゴミだろうが!そんなんでこの先やってけると思ってるのか!!」
ていってみたら納得して帰っちゃいましたけどね。
でもね、続きがありまして、
後日深夜に突然電話が鳴り響いてナニゴトかと出てみればヤツの彼女とかでなんでもここ1週間ほどヤツが家に帰ってきていないらしい、で、ヤツはオレのやっている骨董関係の会社に入社していてしかも有能若手ということで従業員300名ほどの会社のNo3に抜てきされてて、ヨーロッパに視察旅行に行くんだって家を出たきり連絡が入らないンだけどなんとか連絡が取れないか?ていうんですよ。
すげぇ!骨董の会社てナニ?どんな会社なのよ?イッタイドコに300人の従業員が??床下とか冷蔵庫にでもかくれてンのか?ヨーロッパになんの視察旅行いってんだ??つーーか、いってぇナンなんだよ?この妄想具合はよ??
で、かばう義理なんざマッタクないし、大体タメにならないからたんたんと事実を話してあげました。
流石に彼女もウスウスおかしいとは思っていたらしくそのうち泣きはじめたんでやむなく事情聞いてあげたら
渋谷かどこかでナンパされてそのまま付き合うようになって彼女のマンションで同棲するようになり3ヶ月もしないうち妊娠発覚。相談したら、結婚を約束はしてくれたんだが実家に紹介さえしてくれない、お金はドコからどう稼いで来るのかいつも結構な金額を持っている、このハナシを本当だと思っていたかったが彼も帰って来なくなって非常に不安だしどうしていいのかわからなくなって電話してしまった。
とかいうので悪いんだがこちらとしても彼の存在は迷惑なものでしかなかったし、そういった責任関係があるようなものではなかったのでなにもしてあげられない。
現実問題として彼の住所も連絡先さえわからないのだからどうしようもない、とりあえず彼の遺留物から少しでも彼の本来の身元を調べ自分の実家に事情を説明し力になってもらい、その上でまだ彼に未練があるのなら探偵でもなんでも使って行方を捜すくらいしか方法はないだろう。
これだけ情報をウソでかためて自分を見せないオトコが帰って来るとは考えづらいので今からちゃんと覚悟を決めておきなさい。
で、もし帰って来たら今日の電話の件を話し、ウソのなかで勝手に名前をつかわれたオレが激怒していると伝えその上でちゃんと彼の実家に一緒にいくなりして彼の本当の情報を自分で把握しなさい。
それでもまだ彼とやっていきたいのなら全てにおいて自分が主導権をとるようにしなければダメだろうと。
それと最後に自分の免許証やカード貯金通帳や印鑑保険証の有無を確認し、近隣の町金で自分の名前で借金されてたり保証人にされていないかも確認しておくべきだと伝えました。
ヤツとの会話のなかで容易に想像できるのは町金からカネをひっぱっていたと考えるのが
それでどうにもできないようならまた電話するように言っておきましたがそれから電話が深夜に鳴るコトはありませんでした。
まぁ、なんとなくでもうまくいっていればとは一応思っております。
フリマにて 1 05/9/13
それでフリマのほうを中心に代々木とか明治公園とかよくでてましたね。なにしろ当時は車のままで公園にだせたから出店も撤収もとてもラクチンでしたし・・。
でもね、お客さんがねー。
もちろん全員がというわけじゃないんですけど(最近はどうだかわかりませんけど当時は)とにかく値切るお客が多くてで本当に苦労しましたよーー。
値切りかたも半端じゃないんですよ。大体のものは半額以下にしないと納得してもらえないし、迫力にまけてギリギリまでまけても「じゃぁ、アトこれおまけでちょうだい!」て、なんか持ってっちゃうし・・。
まぁ、でもこれはこちらに問題があってまず自分のなかの値段(つまりは商品の値段にたいする価値基準ですか)がハッキリしていないうえに売り焦っていたんですね、だからバカな値切りにも応じてなんでもお客の言いなりで売ってしまう、で、お客もそれがわかるから足下をみて過酷な値切りにでてしまっていたんですね。
ようはあまりにも業者として未熟だった故の自己責任だったんだけどその頃はそんなの全然わからなかったし、当時のフリマに出店していたホトンドの業者はそんな事マッタク理解できず日々この過酷な値切りと闘っていたんですよ。
それでもね、とんでもないヒトっているもんで・・
a. 勝手に値段をつけるオヤジ 05/9/13
いま思えばきっと業者だったりしたのかなぁとも思います。結局骨董市でもあわないし、交換市場でもみかけなかったけどどこのフリマだろうが大抵あらわれてめぼしいもの根こそぎ持っていこうとしましたからね。
とにかく値段なんか聞きもしないでめぼしいものを全部持ってっちゃうんですよ、で、○○(金額ですね、好きな数字を入れて下さい、まぁ大体ナニを買おうが1000円以下でしたが)にしろ!という、こちらの都合なんてマッタクアタマに入っておりません。
これに一度でも応じると毎回ほぼ朝一番にきてめぼしいものをかっさらっていきます。
一度いくらなんでもこれはってコトがあって丁寧にお断りしたところ激怒して以後あまりこなくなりましたね。
ちなみにやりとりを再現すると
「これとこれとそれからあれな!そうだな、全部で1000円でいいだろ?あ、おつり忘れんなよ!」
「は?ナニいってるんですか?あれは3500円だし、それは2000円て値段ついてますよ、それにこれもあれもいっしょだったら全部で8000円こえてますよ。幾らでもいいんならはじめから値段なんかつけませんよ。」
「そんなのおまえが勝手につけたんだろうが!いつも買ってやってるじゃないか!1000円にしとけよ!どうせこんなのどこかで拾って来たんだろうが!いくらだっていいじゃないか!!オレにうっとけよ!!」
「いや、申し訳ないけどカンベンしてください。全部あわせると8500円なんですよ、」
「ふざけたこといってんじゃないよ!!オレが1000円出してやるっていってんだろうが!!売れよ!!」
「いやいや、なんといわれようが無理なものは無理なんですよ、なにか他のモノにするかせめて歩み寄るとかできないですか?1000円は無理でも5000円くらいにならなんとかできるんですけど」
「ふざけんな!!もう2度と来てやらんからな!!いいんだな!!それで!!」
で、怒り狂いながらウチ出ていきましたけど2軒となりでまた大声あげて値切ってましたね。
ウチがフリマから撤退するまでは見かけましたからきっとまだきっとどこかのフリマで値切ってるんじゃないでしょうか?
その頃はまだわからなかったけどいまは荷物の選び方やさわりかた値切りかたで業者かどうかはすぐわかるしそれがどの程度の練度の業者さんかもわかるようになりました。
いまから考えれば店を中心に商売している古道具屋サンだったんだろうと思います。
まぁでも確かに彼は極端だけどコレに近い値切りかたするヒトは結構いましたけどね。
b. 2度とこないでね
そういうヒトタチのなかでも特に印象に残ってるのがこのオバサンです。
良く来てくれるのはいいんだけどとにかく買い方がキタナイんですよ。
欲しいものを掴んではなさないんですね、で、こちらが3000円といえば300円1000円といえば100円1万円なんていおうもんならヒステリーおこして遠吠かまします。
で、その小銭をこっちヘ突き出しどんなにこちらが忙しそうでもおかまいなしで吠えつづけるんです。
かつて業者さんがちょっと目をはなしたすきに小銭をそのヘンになげすてて商品をそのままもっていってしまった事件まであったというとてもじゃないけど一筋縄ではいかない常識をお持ちのあなどれないオバサンなんです。
こちらとしては来て欲しくナイ度NO.1なんだけどむこうだってそんなこたぁ先刻御承知だぜ!!とばかりにイッタン来たら最後やりたい放題です。
そうやって攻防が続いていたある日当時のウチとしてはめずらしくちょっと古伊万里なお皿なんぞが入荷したことがあったんですよ。
片付けでお伺いしたオウチで実家からもらったってお皿をお願いして買わせてもらったんです。
キズもスレもなく絵柄はそれほどではなかったけど当時ならどこだしたって2万以上はつこうかって逸品です。
したら店だしてまだ箱から出さないウチに勝手にそのお皿ひっぱりだして
「これ、100円でいいよね!お金おいてくからね!!」とかやるから
「ダメですよ!そのお皿は一応でも江戸時代のお皿なんですからね。100円なんかで売れるわけないでしょう?」
「ナニいってんのよ!!そんなのワタシに関係ないわよ!100円で売りなさい!!」
「は?ナニ言ってるんですか?どうでもいいけどお皿返してくださいよ」
「ふざけんじゃないわよ!100円で売らないんなら返さないよ!もういいよね、100円で!」
自分で書いててさえウソっぽいと思いますが実際はもっとキツイ言い方するんですよ、このオバサン。
まーーそれにもともと気が長いほうじゃありませんからね、それにワキゲのヒダリも手伝ったのかこのアタリで完全にブチ切れて
「わかったわかったじゃー100円で売れるようにしてあげるからそのお皿かして!」
「そうそう、それでいいのよ!はじめからそうやって100円で売ればイイのよ!!」
で、目の前でその古伊万里皿をがっちゃーーん!!ばりりーーん!!と叩き割ってビニール袋に詰めて
「ハイ、オバサン、これで100円になったよ!さ、はやくお金ちょーだい!」
さすがのオバサンも目が、テンになってましたね。
しばらくしてワレにかえるとダッシュで逃げるようにヒトゴミのなかに消え去りましたけど。
そのあとはどこかで見かけるたびに
「まだ、100円もらってないよ!はやく払ってよ!」
というとそそくさと消えてしまいます。
ホント大人気なかったと思いますがアノ時はなんだかついそうなっちゃったんですね。
あのお皿にはホント可哀想なコトしてしまったといまでもムネが痛みますが古物のカミサマもきっと事情を理解してくれてるとおもいます。
まぁ、なにはともあれおかげであのオバサンは来なくなりましたしね。
やりとりみてたまわりのお客も久々にハレバレしたよって言ってくれましたし。
ちなみにこのオバサンそれからそうたたないうちに同じフリマにでていたあんまりタチのよくない業者ともめて傘で殴り合いを演じてお縄頂戴。
その業者ともども会場立ち入り禁止になってましたね。