交換市場ってどういうところ

古物免許がとれたら次は売るもの(商品)を仕入れなくてはいけません。
とはいえその辺に伊万里皿やら蓄音機なんかが転がってるワケがありませんし そんなもんをしこたま持ってる知人もそうはいないでしょうからここはやはり交換市場にいってセリ落とすっていうのが一番簡単です。
まぁ 実際のところ仕入れは他にも色々な方法があるので無理に市場に通うこともないのですが交換市場は他の業者さん達との繋がりをもったり 骨董市やその他の情報を得るためにもぜひ参加しておいたほうがいいのでできる限り通うようにしましょう。
交換市場は本来買い入れで仕入れた自分が扱わない荷物を出品してセリにかけ 代わりに自分が欲しいものをセリ落とすシステムになっています。
ただ 実際には買い入れを専門で行う業者の荷物をセリあう場合が多いようです。
荷物を出す業者には買い出しを中心に荷物を持ってくる(ウブダシ)業者と他の交換市場で競り落としたものを出品する業者(ハタシ)売れ残ったものを処分するために持ってくる業者もいますので初めのウチはただ凡庸にボンのうえを流れる荷物を眺めているのではなくてそういったことを見極めることも重要です。
つまりこれは同じようなものでも出品した業者によって値段が違うと言うことを意味します。面白いものでやはりウブダシの荷物が一番良く売れるのです。
逆に売れ残ったものと言うのは何故かなかなか売れません。
面白いモンです。
同じように並べて値段にそれなりの開きをつけておいても必ずといっていいほどウブなもののほうが先に売れていきます。
おそらくそれが骨董とよばれるものの本来の姿なのかもしれません。
同じものでもどこか違っていてその微妙ななにかが決定的な差を生むのでしょうね。
もともと骨董の楽しみ方にはそういった要素があるものと考えてもらっていいと思います。
交換市場の基本構造
1,帳場
業者の登録 席料 清算などを担当しています。座っているヒトタチは近所のオバサン達ではありません。勿論役員が仕切っていますが例えその辺のオバサンぽいヒトでも役員の奥様だったりすることもあるので対応には充分気を付けましょう。
2,振り台
ここで荷物がセリにかけられます。勝負は一瞬です。落としたものにキズがあったとしても返品交換などの異義は認められません。
市場がはじまる最低でも1時間以上は前に来て前もって荷物をチェックしておきましょう。
3、発句人
原則として自分の荷物を自分で発句することはできません。
発句できるのは市場の役員のなかでも力のアルひとです。
このヒトタチの発句を頼りに値段をつけるワケですが慣れるまではあまりしゃにむに声を出さないほうがいいし ときどき自分より安く言ってるヒトタチに落ちたりもしますが絶対モンクいったりしてはいけません。大体の場合それってワザとですから。
4、盆
まさに盆かその位のサイズのモノに古物がはいって並べられています。
手前のほうから順にセリにかけられ一番前の座布団に座っている業者の前を流れていくようになっています。勿論座布団の席には古い業者さんが座っているので新人は座ることができませんが。
5, 手順でございます。
先ず市場にいったら業者として登録しなければいけません。
帳場に古物免許をだして登録し、席料という参加費を払います。(席料は交換市場によって違いますが大体1000円〜2000円というところです。このなかに昼の食事代が含まれています。)
で、このあたりから注意しなくちゃいけないのがこの世界独特の礼儀作法ってヤツです。
ここに一歩足を踏み入れたトコロからアナタの古道具屋人生がスタートするのです。
他の世界でどんなに偉かろうが六本木あたりのどんなに偉そうな骨董屋のお得意さまであろうがこの世界の敷居を一歩またげばアナタはただの新人としてしか評価されないのです。
あくまでも買いにきたんじゃなくて荷物を分けてもらいにきたんです。
前にも書きましたがこの世界は基本は独立独歩ですがナカミは典型的な縦社会です。
しかもあくまでもこの世界での在籍年数がその基準になっているようなところがありますから実際の年令や風体などで判断することはできません。
事情がわかるまでは低姿勢に徹して良く観察して見極めるようにしてください。
交換市場での組織構成は会主と役員、荷倉を管理するスタッフから成っています。
会主は交換市場の代表名義人であり、役員は発句人、通し、帳場などの運営をやっているヒトタチです。
座る席順も早い者勝ちというわけではなく振り台に近い順から力のあるキャリアのある業者から座るようになっています。
ですから朝はやくついて誰も来ていなかったからといって勝手に振り台のそばに座ったり一番手前の座布団に座るなどはやめておきましょう。
そうとう危険ですから。
生肉からだに縛り付けてハラペコのライオンの前で寝転がってるくらい危険ですから。
そういうわけですからどこにいていいかわからないときは一番後ろで立ってましょう。
そのうち見かねた親切な業者がどこに座ったらいいか教えてくれるかもしれません。
あくまでも謙虚に徹して下さい。
登録が済んだ所で通し名を決めなければいけません。別に名字でも屋号でもいいのですが短くて簡潔なものが良いでしょう。
まぁでもこのあたりは心配しなくても市場のほうで適当な名前をつけてくれると思いますが。
さていよいよセリが始りました。何故かサンサン七拍子をみんなでやってからです。
振り台に荷物をあげ値段をいっているのが発句人で彼の最初に付けた値段からセリあげていくわけです。
勿論彼が1000円といったからといってそれで買えるワケではありません。手をあげてここでハイっ!!ハイっ!!と絶叫しても周囲から白い目で睨まれるだけなので絶対にこんなマネをしてはいけません。
あくまでも発句人の言う値段は自分がこの値段なら買うよってことなんです。だからそこから値段をあげていかなければいけない、しかもこういうことにさえ暗黙の了解事項が存在し、更に関西と関東ではルールが違うんですよ。
6, 関西と関東の違い
関西は原則として発句から500円単位位でじわじわとセリ上げていきます。
これで最後まで残った人に荷物が落ちることになります。
考え方としてはお客さんに少しでも安く買ってもらうためにそうやってセリ上げるんだそうです。
でも実際のところ関西の交換市場はかなりオオヤマ(大量の荷物)でセリ合うので一点にいくらつけるかと言うのは買った業者の感覚ひとつでやはり誰が見ても面白いものは結構高いような気がします。
あと、細かいキズとかはあんまり気にしないようですね。
関東は基本的に一点一点セリますからキズにかんしてはかなりシビアです。
7, ヤリをつくってどういうこと?
逆に関東はヤリをつくといって発句よりいかに高く買うかというところに美学があるようです。
つまり業者が発句に頼らずいかに自分の値段で買えるのか、ということなんです。
少しでも高く買えることでより高く売れる市場として荷物が集まるからという理由もあると思いますが基本的には洒落と意地みたいなものとして考えておいたほうがいいようです。
発句が出した値段にきちっと相場前後のヤリがつけることがそのまま業者としてのキャリァとして評価の対象になります。
(勿論ですが10000円の発句にたいしてある業者が30000円までとんだとしてその上に30500円などといっても白い目で睨まれるだけです。ヤリがとんだ場合売り人がそれでも落とさなかった場合のみ上にでることが許されますがそれでも500円くらいのったところで落ちることはありませんから充分留意してください。)
しかも首都圏では符丁で値段をいいますから更にその符丁(例えば百貫が3500という数字に符合)を使いこなせることも必要です。
つまり関東圏の交換市場に出入りするには符丁だけは覚えておかないとどうしようもないということです。
この符丁って業者さんによっては企業秘密のように考えている方もいらっしゃいますのでどうしても必要な方はメールで問い合わせていただければ折り返し送らせて頂きます。
(一応古物免許を既に取得されている方に限らせていただきます。登録番号を併記してください。)
ただ 関東近郊の市場に入ればいやでも覚えなければいけないことですし覚えられることでもありますが。
荷物を落とすと通しが通し名を帳場に通し荷物にハガミが張り付けられ荷倉スタッフが一箇所に固めて置いてくれます。
原則として落としてからはそれぞれの業者の自己管理になりますので休憩時間にちゃんと自分の荷物をチェックして高価なものはそのまましまうようにしましょう。
もし無くなってもだれにもモンクはいえません。
全てが終わったら帳場で清算し、ハガミと明細を照らし合わせ値段荷物などに間違いがないか良くチェックしてください。
特にヤマで買っている場合いらないからと荷物を置いていくのはもってのほかです。
最後まで気を抜かないでください。
8, 出品する場合
まぁいきなり出品するひともいないとは思いますが一応付け加えておきます。
a.ブセン(出品料)
まず出品する場合ブセンという出品手数料を取られます。
これは売れたものに対して売れた金額の(小物-茶碗とか時計とか)3パーセントから(大物-箪笥とか冷蔵庫とか)5パーセントがブセンとして清算時に売り上げから引かれることになります。
b.出品する場合の段取りと心構え
ただヒトクチに交換市場といってもそこに集まる業者さんによって集まる荷物、値段には大きな開きがあります。
ですからなんでもかんでも出品すればいいというものではありません。
それぞれの市場にあったものを出すようにしないと折角売れるものも売れなくなるし出品者の評価もさがってしまいます。
出品する場合は前もって交換市場に連絡をいれ確認を取り、出品する荷物をちゃんと選ぶようにしましょう。
朝一番に行く位の気持ちでいって役員の指示に従って出品してください。
折角はやくいっても先輩達のアトにまわされるので結局最後の方になるでしょうけどそれでもはやく行って挨拶をすませましょう。
会主から荷倉まで全員にお世話になりますと挨拶してください。
で、自分の番がきたらちゃんと振り台のそばにいって挨拶をします。
で、一度セリにかけた荷物は値段がいかないからといって引っ込めてはいけません。
新人のうちからそんなことしてたら全然値段がつかなくなってしまいます。
将来の付き合いも考え少なくとも市場に来る全員が自分の名前を覚えてくれるまでは引っ込めずに売り切るようにしてください。
売れ残ったものはちゃんと持って帰りましょう。
アト慣れてきたからと言って市場でブセン惜しさに帳場をとばして売り買いしてはいけません。
そんなことしたら出入り禁止にもなりかねません。
いくら先輩業者がいいといってもちゃんと帳場を通すようにしてください。
大体そんなことを強要する先輩などロクなモンではありませんから相手にしなくっても全然問題ないですし。
全体の目次に戻る